交通系ICカード先進国の日本は今何を思う。

やはり日本は現金最強。
電子マネーを使えなくて困ることはあっても、現金が使えないところはほとんどありません。

経産省は、2025年までに「キャッシュレス決済率40%」という目標を定めていますが、そもそも、Suicaなどの非接触型ICの「ピッ」てのは、日本が一番早くてキャッシュレス先進国だったはずなのに

 

普及が遅れた理由として、数万円の決済機や3%の手数料は設置するお店にとって割と大きな負担……。現金でも問題ないのに、わざわざお金をかけるメリットて何?ですよね。

そんな流れもあって、今はスマホのアプリで、QRコードやバーコードを読み取る決済方法が広く展開されようとしています。

お店側の手数料を無料にしたり、お客側にはポイントキャッシュバックのようなメリットを打ち出す企業が多く、日本はまさにキャッシュレス決済戦国時代真っ只中です。

私は主に「楽天ペイ」と「d払い」をよく使います。そしてこれから「メルペイ」を利用する予定です(明日メルペイの最新情報記事のせます)。

 

では、なぜ日本はキャッシュレス決済の普及を急いでいるのでしょうか。

前回書評した「サブスクリプション」にも似たようなことが書いてありましたが、こうしたキャッシュレス決済によるメリットは、今まで見えなかったものが見えるようになることなのです。

今まで、売ったら売りっぱなしだったものが、
何歳の男性/女性が、何時に、何を、何円、どのくらいの頻度で買っているかというデータを通して、顧客が何をしているのかが見え始めるのです

さらにIoTで、冷蔵庫やIH調理器の利用が把握できようものなら、この顧客は「平日はコンビニだけど、週末のみ料理する」という情報を得ることができ、丁度良いタイミングで、顧客に適切な情報を届け、食材ロスやごみ問題の解決にも役立つと思います。

この小さなデータたちは、企業にとって、ベストな収益構造を作るために必要な重要データとして生まれ変わります。

ただの私のデータは、価値(=お金)なのです。

少し大げさに言いますと、キャッシュレス決済で天下(標準)を取ると、地球上に住む顧客の行動を掌握することができ、大きな企業価値を生み出すのです。そしてそれは「早いもの勝ち」です。

 

そろそろ私たちは、生活上便利になる反面、何かを提供している(無くしてる)ということも意識する必要があると思います。

それを搾取と捉えるのではなく、寛容的に捉えながらも、個々の情報を守る知識も同時に学ばなければならない時期に入っています。

自分のほしいものや関連のあるものが、探さなくてもすぐ目の前にあってくれる生活は便利で助かるものです。なので私はキャッシュレスに伴うデータ活用に異議はありません。

 

ただそれって、何だかつまらない世の中だな、とは思っています。

 

文:森下 えみ
編集:高橋 大希ち

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