書評「サブスクリプション」顧客の成功が収益を生む新時代のビジネスモデル

一歩間違えば、何かを売るための便利文句として使われそうな「デジタル・トランスフォーメーション」著者はこれを、

何でも好きな意味を持たせられそうだが何も意味していないかもしれない言葉と表現していて、私は小さく笑ってしまいました。

 

「デジタル・トランスフォーメーション」において「サブスクリプション」は一つのキーワードで、簡単に説明すると、製品やサービスなどを利用した期間分のみ支払う方式のことです。

最近はMicrosoft製品やAdobe製品を月額/年額で支払うことは当たり前になってきましたが、ずっと前から、電気やガス、水道、携帯電話もサブスクリプションです。

 

著者はこうも言っています。
この世にサブスクリプション化できないものは無いと。

今、人が何かを買うときの方法がどのように変化をしているのか、顧客は何を望んでいるのか、自社はどう変わっていくべきなのか、この本では事例と共に考えることができます。

森下目線のみどころ

・あなたの最初の顧客はあなた自身である。

・このサブスクリプション・ビジネスの仕事は、契約締結後に始まる。~中略~ 顧客に期待を持たせるだけで、新しい機会を提供できていないとすれば、そのビジネスは正しい道を進んでいるとは言えない。

・かつて私たちは知っている人から物を買った。肉も、パンも、道具も、野菜も、~中略~ そのようなビジネスのあり方は、はるか昔、産業革命がもたらした製品重視の時代に姿を消した。しかしそれが、大きく姿を変えてサブスクリプション・エコノミーとして舞い戻ってきた。

 

サブスクリプション販売は儲からないように見えることがありますが、実は驚くべき収益性を秘めたビジネスなのです。そこにはIoTの技術も大きく貢献しており、今まで見えてなかったものが見えるようになることで、収益を出すものが様変わりします。

外資系企業の事例がほとんど(コマツはもはや外資?)なので、日本企業にマッチするかわかりませんが、第12章の営業では、営業活動におけるキラートークが載っていたので、私はさっそく今日使いました(笑)

 

”これさえあれば何でもできる”から、求められるものは  **接続すればすぐに使える**へ。

ちょっと不完全で、これから成長できるものの方が、面白みがあって一緒に楽しめそうです。

 

そして、この本の「消費者」という表現は、30代以下の若い世代を指しているように思います。さて10年後のあなたの顧客になるであろう人は、今何歳ですか?

 

著者:ティエン・ツォ
著者:ゲイブ・ワイザート
監訳者:桑野 順一郎
訳者:御立 英史
出版社:ダイヤモンド社(2018/10/24)

森下 えみ

 

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