書評「9プリンシプルズ」加速する未来で勝ち残るために

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世の中の変化をおもしろがることができるか?
この本は一貫してそれを読者に問いかけ続けます。

おもしろさを感じる目利き能力を高めるためには、この9つの考え方(プリンシプルズ)を持つといいよと著者は言っています。

生物学、アラブの春、福島原発、ビットコイン、スクラッチ、サイバーセキュリティと事例を上げながら読み解いていきます。気軽に読むのに向いていないけど、どうすれば世の中のありとあらゆることを、プラスに捉えられるかを見つけられる本です。

 

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1「権威よりも創発」
2「プッシュよりプル」
3「地図よりコンパス」
4「安全よりリスク」
5「従うよりも不服従」
6「理論より実践」
7「能力より多様性」
8「強さより回復力」
9 「モノよりシステム」

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1「権威よりも創発」
創発は自然現象だ。孤立した思いつきや個々のこだわりが集結して世界の新しい見方となり、それが何千人共有されるようになる。無料または低コストなオンライン教育の広まりなど、人々が新技能を学ぶ新しい機会が増えれば、ますますイノベーティブになる。

2「プッシュよりプル」
現代の通信技術とイノベーションの低コスト化を活用して、ひらめきにより発見を可能にして、自分の情熱を探りだす機会を提供する。これは自分が必要としていたものを見つけられるようにしてくれるだけでなく、自分が必要だとも知らなかったものを見つけさせてくれる。

3「地図よりコンパス」
地図は、ある問題を解決するための豊富な知識または最適経路を示している。そしてコンパスは方向性。未来のことはわからないんだから、最短ルート探すよりも、回り道したり、より道したりしながら歩く方が、ばったりと宝物を見つけられる。

4「安全よりリスク」
安全性も大事だけど、リスクも同じ以上に受け入れろ。不安定な個人がオンンライン配信できたり、3Dプリンタで飛行機に持ち込める武器を設計できたりする時代だ。リスクは意外に低コスト。

5「従うよりも不服従」
”言われた通りにしているだけでノーベル賞を受賞できた人はいない”
その法律やルールは本当に公平なものなのか、疑問に思ってもいいんじゃない?何が「正解」か何を要求されているのか、一旦解放されてみて自分が思うことやってみたら?

6「理論より実践」
変化が当たり前になる未来で、時間かけて計画する方が高い費用がかかること理解してる?
ビジネスにおける「失敗」は安上がりな学習機会なんだ。とにかく素早く仕上げるために何でもやることだ。

7「能力より多様性」
才能と仕事をマッチングさせる最高の方法は、詳しい人に難しい仕事を割り振ることではなく、
いろんな人の行動を観察して、その仕事に必要とされる”認知機能”に一番適性を示すのはだれなのか見つけることだ。”高卒のおばあちゃん”はそれを持っているのだ。

8「強さより回復力」
デジタル時代には難攻不落の要塞なんてない。システムがどれほど強くても、いつかはやられる。”勝とうとすることで、私は常に負ける。勝ち負けなどなく、出来事がとにかく展開して自分はそれにどう反応するかを選ぶだけというのを受け入れたときにだけ、成功できるのだ”

9 「モノよりシステム」
”この物体はオレのために何をしてくれる?”そんな利潤の問題は終わった。生態的、社会的、ネットワーク的に見てどんな効果が生まれるのか、全身性の影響を考えることで、自分の周りの自然システムにプラスに働く。最悪でも中立的に。

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私の好きな章は「2」と「5」です。

2では、ビットコインの思想が書かれていて興味深かったです。ビットコインの仕組みを「エレガントに単純なシステム」と表現しているところが好きです。

5での、創造的な不服従を持つことは、企業にとって時に脅威となります。しかしそんな組織の中でも、おもしろい意見や考えを持つ人に出会えることがあり、私は見つけられたことがすごく嬉しくて、大好きになります。

著者はそんなイノベーターを「良心のある不服従」と表現しています。

この本は難しかったけれど、各章にある追記を読むだけでも、今の自分に必要なものがみえてくるかもしれません。

自分だけではなく、自然に周りも変えていく「ポジティブな逸脱者」になるために、自分の直感を信じ、行動し続けたいと思います。

 

著者:伊藤 穰一
著者:ジェフ・ハウ
翻訳:山形 浩生
出版社:早川書房(2017/7/6)

 

ブログ筆者:森下 えみ
編集者:高橋 大希ち

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